鄭日鮮歌集『生きて来たりぬ』

在日朝鮮人の戦前、戦中、戦後を詠む

 ハンマー振り線路に敷き積むバラス割り白いチョゴリの母の悲しみ

在日朝鮮人として戦前、戦中、戦後を生き抜いた鄭さん。幼い記憶のなかの母、その「白いチョゴリ」は民族の矜持のようだ。事実の持つ重みが日本という国家の在り方に迫る。(田村広志・帯より)

・ひとり居の記憶ぽつりと下がりゆくあの字どんな字ここまでおいで
・亡国の民と生ききし我なれど貧しきはなにぞ我が祖国なり
・父と子の背まるくして手花火の光りのなかのふたり子わが子
・とおき日の春の潮の菜の花に目にもあかるく望郷のあり
・平昌のオリンピックのほほえみ外交 諸手をあげて祈る祖国統一