梅地和子歌集『空の魂』

・朱にもえて一月十日の暮れてゆく孤独に仰ぐ空(そら)の魂

胸に孤独の音を響かせる魂は、日々傷みながらも空の彼方へ飛翔しようとする。ある時は中天の風に吹かれる月、またある時は蒼天に残さ消えてゆく雲、そしてついに魂は無限の空の魂そのものとなって揺曳する。孤絶の暮しをつらぬく一条の清らかな歌心を見よ。 (帯)

・切り捨てられ切り捨てられて人間の心は窓を開きゆくもの
・待つことも待たれることもなき命静かに流れゆく月の方
・明けそめる天の曇りを縫うように白き月あり風に吹かれて
・飛行機雲が雲を一本引いて去る時間のなかに何かが終った
・人気(ひとけ)なき海辺に咲かんわたくしの来世の命タンポポに咲け