栗原浪絵詩集『小さなろうそく』

何か、物事がうまくいかない時は、人生の次の扉が開く前触れ、と聞いたことがあります。三十一音からはみ出してしまった心のスケッチ——それを詩と呼べるかどうか、分からないけれど、一冊の本にまとめてみようと思い立ちました。この小さな詩集が病気や障害を持ちつつも懸命に生きようとしている人々や、その周りの人々に少しでも届けば幸いです。 (あとがきより)

「猫」
まぐろが好き。
ししゃもはまあまあ。
さんまも結構。
ぶりも食べてみた。
それでも一番、好きなのは、
昼下がりのソファで
とろろんとろろんと
丸まって
光のゆくえを
見ていること。

「祈り」
奇跡の一本松から
十字架を作ったと聞いた。
その一本松には
カーネーションをくわえた
駒鳥たちが
静かに寄って来るのだろう。