古川サチ子歌集『緑蔭』

静と動。明と暗。
歌集名『緑蔭』は光のなかにかがやく青葉の緑と、
その青葉の茂りがつくる蔭。
その蔭の周りには、
哀傷歌を詠う胸うちに相聞歌の息衝きが
聞こえるように、緑が溢れている。 (柚木新・帯)

・とっておきの紅茶の封をあけて待つデイサービスの夫の帰りを
・三匹の猫は我が家のセラピーの役目を担いおだやかな午後
・拡大鏡にイスタンブールを見つければうたたねの夢はエーゲ海
・「浜岡原発(はまおか)より三十キロのおばさんの町浜松もアウトですね」と
・春おそき湖北にであいし満開の桜ふたたび夢のつづきを