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岡一輻歌集『ぶつぶつと吐きながら――奥能登の土と海と風と――』

奥能登の三世転々の景色を詠う

奥能登は土の匂いのする風が吹き、海の匂いのする風が吹き、いつの間にか蜃気楼のように景が流れて消えて、しろくなってしまう天地。誰もがそうであるように、正体不明のものに追われて生きてきた男が、眼前の人生の終章の揺らめきのなか、ひらすら作品と映して美しささえ感じさせる。(帯より)

・半島の岬に立てばくるまれる果てという字の心地のよさに
・なぜここに居るのだろうと兎啼く黄色のうすい空より聴こえる
・奥能登にかるい雪ふる仰ぎみる朝市通りの飯屋に入る
・漆黒のこころに記すものなにか氷柱の筆は溶けて失せるぞ
・あの鳶の寝床どこだと風に訊く能登に暮れ行くこの一日も