杉並書友会

2019/02/09

  小雪ちらつく杉並書友会。家人の好意で初日から行かせてもらう。

  与謝野晶子選『吉井勇選集』(アルス、大正11年、4版)/150円
  平野秀吉歌集『駒くさ』(斯文書院、昭和3年)/100円
  鑛  京造歌集『遠水脈』(獵人荘、昭和5年)/100円

  相変わらずけちな買い物をしている。
  吉井勇選集は晶子選というところだけ価値があるようなもの。初版は大正8年。
  平野秀吉は『国語音声学』や『良寛と万葉集』などで知られる国文学者。「山嶽歌集」とわざわざ銘打つように、山の歌ばかり。口絵も登山中の著書近影である。私は登山の趣味がないのでなかなかこういう歌集の良さがわからないのだが、実感のこもったもの。登山の趣味がなくても高山特有の動植物が詠まれていて興味をそそられる。釈迢空のような句読点を多用した表記を用いている。
  鑛京造は生田蝶介門下、「吾妹」同人。出雲大社に奉職していた人で、蝶介とともに千家尊建が序を書いている。もともと島根の人で、尊建に従い名古屋に赴き、大正15年帰郷、出雲大社に奉職。その後は尊建に従い各地の旅に随っている。昭和4年8月から9月にかけて尊建の日本主義講演旅行のため北海道に行ったりしていて、なかなか興味深いものがある。思想的に尊建の影響下にあったものらしく、人生的な懊悩や煩悶も詠まれている。全然知らなかったが、大正期から昭和初期のあるタイプの青年の心のありようが分かる。大正期の歌は宗教との関わりを重く見てゆくべきなのだろう。
  夜、入稿原稿の校正。自分で打ち込んだものだが、色紙を子規氏などとしていて、恥ずかしくなる。