『バルネ探偵局——怪盗ルパン』のカバーについて

2019/08/19

 朋文堂が出していた「旅窓新書」というシリーズがある。その4冊目が『バルネ探偵局——怪盗ルパン』で、原著者はむろんモーリス・ルブラン、訳者は保篠龍緒、昭和29年の発行である。ところでこの本、装釘は青井辰雄で、彼はこのシリーズの多くの本の装幀を手掛けているのだが、この『バルネ探偵局——怪盗ルパン』の場合、扉裏に、「装幀 青井辰雄」と並んで「カバー 若山旅人」と書いてある。あの若山牧水長男の旅人なのだろうか。おそらくそうなのだろう、しかし、例えそうであっても、では若山旅人はカバーのどこを担当したのかという疑問が湧く。当然、カバーの絵を描いたと思えるのだが、その場合青井辰雄の役割とはどういうことになるのか、絵と装釘は別と分かっていても、やや釈然としない気持ちが残っている。深く考えるほどの疑問でもないのだが——。