鈴木香代子歌集『6月のるん』刊行

2019/08/26

 鈴木香代子さんの歌集『6月のるん』を刊行した。『青衣の山神』、『あやめ星雲』に続く第三歌集となる。今回の歌集は少々変わっていて、銅版画家・大宮のぞみさんの絵を添えた歌集となっている。歌数は30首であるが、鈴木さんの心のぬくもりが感じられる歌で、大宮さんの銅版画との相性もよいのではないかと思う。家族詠といってよいかと思うが、さらに言えば、新しい生命そしてその生命とともに生きる時間を見つめる歌である。歌集としても絵本として楽しめる本なので、ご一読いただきたい。
 補足的に説明しておくと、 タイトルの「るん」とは、「rlung(ルン)」で、チベット語で「風」を意味する言葉で、さらに気功における「気」の意味を持つようであるが、ここでは「風」の意味である。
 夏も終りに近づき、秋風の吹く季節も近いだろう。だが、ふたたび季節はめぐり「6月の風(るん)」の音や匂いを感じる時がくる。その日のことを思いつつ、『6月のるん』の頁を閉じたことであった。