梅地和子歌集『空の魂』刊行

2020/01/15

 梅地和子さんの第四歌集『空の魂』(そらのたましい)を刊行した。装釘は船津朝子氏、装画は故・坊城俊民氏の「富士」を用いた。著者所蔵のものである。
 梅地さんは高校時代に国語を担当していた坊城俊民氏に師事、「未来」などを経て、現在は無所属である。大学時代は小田切秀雄の薫陶を受け、佐多稲子の研究者でもある。これまでに、歌集『鬱の壺』、『静かな炎』、『小窓を見つめる』、研究書に『佐多稲子小論』がある。今回はその坊城先生の絵を装画として使わせていたのである。珍しいことであろうかと思う。
 現在八十歳になれらた梅地さんだが、第一歌集『鬱の壺』の題名にあらわれているように、長年鬱病とたたかってこられた方である。お会いする限りではまったくそうは見えないが、苦しい日々を歩んでこられたことであろう。今回もそういった歌がまじってはいるが、孤独の中で透明な抒情を研ぎ澄まされてきたことに、私は深い敬意を払いたい。
 何度かご自宅にうかがってお話をさせていただいたが、いつもその自宅マンションの一室で、空を眺めているのだという。そういう静かな生活から紡ぎ出された歌であるから、歌壇には多くお送りしていないが、是非お読みいただければと思う。また、同じ病を生きている方々にも、手に取っていただきたい。